今年の正倉院展で出展されるとのことで話題になっている「蘭奢待」という香木。1000年以上前から守り伝えられてきた、最高級の香りと言われていますが、はたしてどんな香りなのかすごく気になりますよね?!
再現された香りを実際に体験した方々の感想を含め、現在分かっていることをまとめてみました。また、どこで香りを体験できるのかや、だいたいの香りを知る方法などもお伝えします。
蘭奢待とは?
正倉院に納められている宝物の一つです。「蘭奢待(らんじゃたい)」という名前で有名ですが、実は蘭奢待は雅名(風流な呼び名)で、正式名称は「黄熟香(おうじゅくこう)」と言います。少しややこしいですね(^^;)

なお、正倉院の宝物は、もともと皇室の所有物であり、現在は宮内庁の管理下にあるため、国宝をはじめとした「文化財」には指定されていません。私は何となく文化財指定されているものだと思っていたため、ちょっとビックリしました笑
正倉院のサイトでは蘭奢待について次のように説明されています。
巨大な沈香。産地はベトナムからラオスにかけての山岳部とされる。雅名である「蘭奢待」には、「東」「大」「寺」の三文字が隠れている。名香として珍重され、足利義政や織田信長、明治天皇などが切り取らせた。
時の権力者たちが魅せられた香り…どんな匂いなのかとても気になりますよね!
蘭奢待の香りが再現され、体験できる!
蘭奢待の実物は宝物として管理されているため、直接香りを嗅ぐことはできません。しかし実は近年、高砂香料工業さんという香料会社の協力のもと、蘭奢待の香りが再現されたのだそうです。すごいですよね(゚∀゚)
現在、大阪歴史博物館で開催されている『正倉院 THE SHOW』(2025年6月14日(土)~8月24日(日))という特別展では、その香りが体験できるとのことです!実物の香りを直接嗅ぐことができないため、とても貴重な機会になりそうです。
また、実物は今でも香りを発しているようですが、少しずつ失われていっているそうです(千年前の香りが残っていること自体がすごいですけどね笑)。香りの再現は後世に残す記録としての役割もあるようです。
どんな香りなのか?
蘭奢待の香りの成分分析の結果、カラメルやアニスのような甘い香り、セダーウッドなどに似たスパイシーな香りなど、様々な香りが交じり合った複雑な香りになっているそうです。
甘くてスパイシーな香り…アジアンテイストな香りが想像されますね。

実際に香りを体験した方々の感想
実際に香りを体験した方々の感想が、Xに投稿されていましたので、いくつかご紹介します。
Q.蘭奢待の香りは?
— 安宿くら (@C_Clara_Loliita) June 17, 2025
A.シナモン…?…それと…
あとちょっと…お薬シロップ…🤔?
正倉院 THE SHOW @THESHOW1814315
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈#正倉院#正倉院theshow pic.twitter.com/2PTkjyjbpZ
天下人コーデで正倉院theSHOW行ってきた🌺今日から蘭奢待と一緒に寝ます♡
— アイタ😈 (@AITAcham) June 24, 2025
蘭奢待の香りはね、シナモンと餅みたいな素朴な甘さって感じで、八つ橋ぽい🍒
正倉院文様っぽい単衣と帯にしたよん👌🏾 pic.twitter.com/4aTNfFCQXo
正倉院 THE SHOWで一生分の蘭奢待(再現)の香りを吸い込んで満足しました。杏仁のようにフルーティーで良い香りでした。#正倉院theshow pic.twitter.com/sAbh9pl8bv
— 山椒魚 (@_sansyouo) June 30, 2025
正倉院 the show
— りせ (@OSAKA_na5959) July 6, 2025
念願の蘭奢待のくんかくんかすーはー体験
シナモンと微かに白檀香、そして奥にバニラって感じの甘いが重厚感があり軽やかに抜ける香り pic.twitter.com/CRhsrr6oPO
#正倉院theshow#蘭奢待#正倉院展
— HOSSOGE (@Sayako22449311) July 11, 2025
やっと正倉院the show に
行けました!
文様や宝物の美しい映像を
見ていると
まるで正倉院文様の万華鏡の
中にいるような気分に✨
気になっていた蘭奢待の
香りは…
あ~どこかで知っている
懐かしい香り
小さい頃飲んだ…風邪シロップのような?! pic.twitter.com/2bAUYIkxAO
シナモンの香り、バニラの香り、杏仁の香り、風邪シロップの香り(⁈)笑
色んな表現がなされていますが、ますます興味がわいてきますね(^^)
香りはどこで体験できる?
現在、再現された蘭奢待の香りを体験できるのは、大阪歴史博物館の特別展『正倉院 THE SHOW』(2025年6月14日(土)~8月24日(日))のみのようです。
しかし、大阪展の終了後、同展の東京展が上野の森美術館にて開催予定(2025年9月20日(土)~11月9日(日))となっています。こちらでも同様に香りの体験ができます。お近くの方はぜひ体験しにいかれてはいかがでしょうか。
なお、奈良国立博物館で開催される『第77回正倉院展』(2025年10月25日(土)~11月10日(月))では蘭奢待の実物の展示が行われますが、こちらでは香りの体験はできません(2025年7月12日現在の情報)のでお気をつけください!
もっと手軽に体験してみたい!
展示会で直接体験できるのが一番いいけれど、どんな感じの香りなのか、だいたいでいいから、もっと手軽に体験できないの?と思う方もいるのではないでしょうか?
そんな方は、お香の『沈香』や『伽羅』の香りを試してみるのもいいかもしれません。

正倉院の説明にあるように、そもそも蘭奢待は“巨大な沈香”とのこと。沈香や、沈香の最高級クラスと言われる伽羅と同系統の香りであることは間違いないでしょう。
沈香や伽羅のお香は、ネットをはじめ、仏具店などでも購入可能ですので、試しに求めてみるのもいいかもしれません。なお、株式会社『香十天薫堂』では、オンラインショップ限定で、お香の代表的な香りである「伽羅」「沈香」「白檀」の3種類がセットになったおためし香1,100円(送料込)香十 が販売されています。こちらも手軽でいいかもしれませんね。
まとめ
正倉院展への出展で話題となっている「蘭奢待」。長い時を超えて伝えられ、人々を魅了してきた最高級の香木です。その香りが再現され、体験できるようになりました。
「シナモン」「バニラ」「杏仁」など、甘さやスパイシーさが混ざった複雑で魅惑的な香りのようです。お近くの方はぜひ『正倉院 THE SHOW』で体験してみましょう!もっと手軽に試してみたい方は、沈香や伽羅のお香を試してみるのもおすすめです。
アロマやフレグランスは様々な商品にも使用され、日常的に接する機会がありますが、お香を嗅ぐ機会は少ないと思います。蘭奢待が話題になっているこの機会に、ぜひ香りを体験し、自分の感性に新たな刺激を与えてみましょう!
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